Wi-Fi CERTIFIED Miracast™ テクニカル ガイド (2017)

特にビデオ ストリーミングやゲームなど、マルチメディアのトラフィックが飛躍的に増加しているのに伴い、ユーザーがいつ、どこで、どのようにコンテンツへアクセスするのかといった環境の根本的なシフトが進んでいます。ユーザーはスマートフォンやタブレット、ラップトップ、テレビ、また車載インフォテイメント システムなど、幅広い範囲のWi-Fi® デバイスでマルチメディア コンテンツを楽しめることを期待しています。 自宅なのかモバイル環境なのかに関係なく、ユーザーは複数のWi-Fi デバイスを使いこなしています ―― コンテンツをローカルに保存しているデバイスもあれば、コンテンツの出力を主眼にしたデバイスもあります。たとえば、インターネットからタブレットへストリーミングしたHDムービーを、リビングのテレビで楽しみたいというユーザーもいるでしょう。

Wi-Fi CERTIFIED Miracast™」認定プログラムは、半導体、モバイルデバイス、家電などのメーカーで構成された幅広いエコシステムの支援を背景に、Wi-Fi デバイス間でHD(高精細度)グラフィックスやビデオ、オーディオ コンテンツを含む画面のシームレスな共有を実現することを目的に策定されました。Miracast®テクノロジーによって、各デバイスはお互いを識別・接続し、接続関係を管理すると共に、たとえWi-Fiネットワークがない環境でさえも、それぞれのデバイスの能力とネットワークの状況に応じてコンテンツの伝送を最適化します。Miracast認定デバイスには、有線接続に匹敵するユーザー エクスペリエンスに加え、自宅やオフィス、また車載インフォテイメント システムのディスプレイなど、Wi-Fiカバレッジ エリア内でのポータビリティという大きなメリットがあります。

Miracast は、テレビやSTB(セットトップ ボックス)、カメラ、プロジェクタ、スマートフォン、タブレット、ラップトップなど、動画を出力できるクライアント デバイス向けの認定プログラムです。 2つのMiracast デバイスの初期の接続設定が完了したら、ユーザーはコンテンツをストリーミング再生するか、一方のデバイス(ソースデバイス)からのディスプレイをもう一方のデバイス(ディスプレイ デバイス)へミラーリングするかを指定できます。Miracast では、共有するコンテンツがソース デバイスにローカルで保存されている場合に、既存のネットワークがない環境でも2つのデバイス間でWi-Fi接続を直接確立し、コンテンツを共有できます。

Miracastテクノロジーを利用するには、ソースデバイスとディスプレイ デバイスの両方がMiracast認定であることが必要です。 また、MiracastはHDMI(高精度マルチメディア インターフェイス)などのインターフェイスをサポートしているMiracast認定アダプタを使うことで、Wi‑Fi機能を内蔵していないデバイスで使用することも可能です。

本ホワイトペーパーでは、Miracast プログラムの技術面の概要を紹介します。 Miracast 認定製品の一覧は、Wi-Fi Alliance®のProduct Finder(http://www.wi-fi.org/product-finder)でご覧いただけます。